仙台高等裁判所 昭和27年(ネ)404号 判決
控訴代理人は「原判決を取消す、被控訴人の請求を棄却する、訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張及び証拠関係は、被控訴代理人において、「本件証明の請求は地方自治法第八十一条第七十四条の二第一項により解職請求者の代表者である被控訴人等が控訴人に対し解職請求者署名簿を提出してこれに署名し印をおした者が選挙人名簿に記載された者であることの証明を求めたものである。」と釈明し、控訴代理人において、「右事実は争わない。控訴人は被控訴人等主張の解職請求者署名簿添附の解職請求の要旨につきその当否を審査したところ、その解職請求の理由とするところは虚構で且公人たる町長の地位名誉を毀損する不法のものであり、憲法第十二条に違反する解職請求権の濫用で結局不当であつたので、この点において審査すべきものではないとして被控訴人等の証明の請求を却下したものである。」と釈明したほか、原判決事実摘示の事実及び証拠関係と同じであるから、これを引用する。
三、理 由
当裁判所の判断は原判決の理由摘示と同じであるからこれを引用する。これを要するに、本件町長解職請求者の代表者である被控訴人等が控訴人に対し解職請求者署名簿を提出してこれに署名し印を押した者が選挙人名簿に記載された者であることの証明を求めた場合に、控訴人において右解職請求者署名簿添附の解職請求の要旨につきその当否を実質的に審査する権限を有するものではない。従つて右の場合に控訴人が右請求の要旨の当否を実質的に審査してこれを控訴人主張のように不当であるとし、この点において本件証明の請求を審査すべきでないとして却下したのは違法であつて、右却下の処分は取消を免れないものである。
よつて、被控訴人の本訴請求を正当として認容した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、民事訴訟法第三百八十四条第九十五条第八十九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 村木達夫 蓮見重治 檀崎喜作)